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2016.10.29 (Sat)

釣 り

家から田んぼに降りてゆくと、7反5畝の田んぼを縦断して坂元川が流れている。
水量も豊かで、吾家の水力自家発電を賄い、田んぼを潤している。
現在とは違って、雑木で山林が覆われていたから、今に倍する水量だ。

この河川が、坂元棚田に発する水田に引かれ、水田を満たすと溢れて再び川に。
プランクトンが多いから、『ざエビ』やイワナに似た小魚、ハヤなどが群れる。
それを狙ってウナギや『山太郎蟹』が遡上し、蛋白源を供給する。

日曜日には、エビ草に潜る『ざエビ』を捕り、釣り針を垂らして魚を釣る。
『ざエビ』は、セキショと呼ばれた草の根っこに住まいし、足で踏んでザルで獲る。
砂糖醤油で甘辛く煮ると、佃煮に似た味が食欲をそそる。

釣り糸は白い木綿糸を使い、重しは釘で、釣り竿は小さん竹。
ミミズを針に付けて垂らすと、瞬く間に魚が釣れる。
が、家族だれもが川魚を食しないから、持ち帰ることはない。

サツマイモに使用する農薬で『ゲラン』というのがあった。
東南アジアから植物の根っこを輸入し、それを水に浸して叩く。
白濁の汁が出て、それが川魚の呼吸を阻害、苦しくなって浮き上がる。

ゲランの粉末もあって、ガーゼに包んで水中で揉む。
根っこのような強力さはないが、一握りで効果は満点だ。
祖父が好きな漁で、本家の親父と共に楽しんでいた。

夏休み、朝の5時に坂元川に仕掛けた延縄を見に行く。
仕掛けの3分の2ほどにウナギが掛かり、早いのは自身を巻き付けて死んでいる。
吾は食するのは好きではなかったが、祖父の大好物で、胡瓜の葉で掴み祖母が調理。

水力発電に導水する水路の入り口に、『カニ受け』という篭を構える。
晩秋にかけて下る『山太郎蟹』が一朝に30枚ほど、他にウナギやエビも。
吾はこれも苦手で、祖父が旨そうにすする『カニ巻汁』を横目で見ていた。

灼熱の太陽が降り注ぐ岸壁で、夫婦二人が釣り糸を垂れている。
都井岬手前の宮浦漁港で、二人以外に釣り人はいない。
母が後添いとして入った旦那と母である。

『こんな暑い盛りに釣りをしているなんて!』と吾は毒づくが、ただ苦笑いしている。
試しに吾が代わると、仕掛けが替わったかの如く、入れ食い状態に。
『やっぱり、人を見るのかなぁ~!』と、義父は苦笑する。

擬餌針の仕掛けはお袋手製で、避妊用のスキンが針に巻いてある。
それから、吾が嵌った。
道具一式を購入して、岸壁から、やがては油津沖のケーソンに瀬渡しで上陸。
とうとう、遠投して鯛を狙う磯釣りである。

友人と泊りで瀬に渡ったことも幾度も、一睡もせずに灯浮とにらめっこだ。
ボードという『船酔い止め薬』を飲んで『舟釣り』にも行ったことも再々。
浪人中だったから、夜釣りの夜明けは、また地磯からの釣りである。

友人と行くと、吾のみに『漁』がある。
同じ仕掛け、同じ棚なのに、なぜか吾だけが釣れる。
石鯛釣りでは、枕崎港から南硫黄島に渡ったこともある。

先妻が占いの見立てで、『御主人は釣りで漁がある。でも命が取られる』と。
つまり、獲物はふんだんに与えるが、その内に命を頂こう!という訳だ。
それから、釣り道具一式を捨て、漁に出なくなった。

が、子供たちを連れて荒磯に行き、カラス貝を麻袋ひとつ獲ったり。
近所から誘われて、『寒雑魚』を捕りに行ったり。
食いはしないのに、捕ること、その段取りが好きなのである。

最近の子供たちは、川で遊ぶことも禁じられているから、釣りの経験もないだろう。
釣り、どころか川に入ったこともないから、川底の滑りも判らない。
常に足の届くプールが、泳ぎの場所だからキャンプ場で命を落とす。

その世代が、いまの子育て世代で、子供を助けるどころか自身が溺れる。
『それでは、自然の中で生きていけないよ!』と言っても、先生も必要性を認めない。
認めないどころか、先生自身が『生きていけない』人種なのである。

東京の総武線、市ヶ谷近くに『釣り堀』があった。
学生時代に電車から眺めていたが、多くの人達が釣り糸を垂れていた。
今でもあるのかは判らないが、都心では養われている魚しか狙えないのだろう。

先日の報道では、『釣り堀』に遠足する学校があると聞いた。
子供たちは、釣りという行為を誤って認識するだろう。
遺跡の発掘で釣り針が出土したこともあったが、あの時代に釣り堀があった!

そういう認識に繋がりはしないか?
自然と隔絶された現代の子供、自然の怖さも有難味も知らない。
知らない世代が、再び知らない世代を培養している。


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