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2016.08.04 (Thu)

個人情報

中学時代、テストの成績が番数表として、渡り廊下に張り出されていた。
中間、期末はベスト30位までだったが、学年末には50位まで名前が出る。
名前と共に、各教科ごとの点数まで表示されるから、自身の学力は歴然だ。

自身の学力だけではない。
自身の前後、友達の出来具合、頑張っている友の実力も映し出される。
10番内、5番内を争う時は、1点に悔しい思いをすることもある。

高校生になると、勉強のツボを人に隠す性格の奴。
出来ない同級生を冷ややかに蔑む視線。
そういう者は、どんな優秀でも、社会に出ても認知されていないから納得だ。

吾は、物覚えが悪い。
特に、人の顔と名前が結び付かないから、選挙する者としては致命的だった。
自衛隊ОBの家を借りて後援会づくりをやった後に、ОB会合で会ったが失念していた。

頭は下げたのだが、名前と吾との由来が浮かばず、そのままに過ごした。
ОB氏の怒るまいことか!  『恩を知らぬ奴!』と。
聞いて詫びに行き、言い訳をしたが、ギクシャクは治らなかった。

北郷の会合に呼ばれ、トイレで知り合いに出くわした。
他に人が居たから目礼だけで済ませたが、彼は 『黙殺した!』と、後援会幹部に。
言い掛かりである。 吾は全てを承知していたが、彼は吾から去る理由が欲しかった。

飲み屋の止まり木で酔客に絡まれる。
『坂元さん! 俺を覚えちょんなるか?』としつこい。
顔は知っていても思い出せないが、『うん!判るよ!』と応じる。

『誰じゃな? ほんなら名前を言ってん!』と、これまたシツコイ。
知人は、『名前はなんじゃったかなぁ~?』と聞くらしい。
対して、『安倍じゃがなぁ~! やっぱり忘れちょるが!』と。

知人は、『イヤ!苗字はわかっちょっとよ! 名前の方よ!』と云うらしい。
『そうすればいいよ!』と教わったが、吾のような『面の皮の薄い』者には真似できない。
しかし酔客も、翌日には吾に会ったことすら忘れているのかも。

政治を止めてからは、大型店などを歩いていても、視線は絶えず商品か、床に置いている。
視線が合うのを避ける為である。
が、声を掛けられること頻繁で、差しさわりの無い会話で逃げている。

宮崎市の古賀クリニックでも、大学病院でも、知り合いに出くわすことが多い。
県立日南病院は尚更で、毎日のように声が掛けられる。
何故、声が掛かるのか?  名前を呼ばれるからである。

大学病院では、番号が渡され、各検査場所、診察場所、料金支払い所、すべてが番号表示だ。
従って、氏名を呼ばれることはないから、知り合いの名を聞くことはない。
が、県立日南病院は、外来、支払い、全てで氏名が連呼されるから待合室に聞こえる。

聞こえると、視線が吾に集中することが、視野の隅で見える。
毎日のように治療に通う現在であるから、吾を認める人、大多数だろう。
揚句に、駐車場整理のガードマンなども知り合いで、徐々に病状まで聞くようになった。

昨日は、治療の後に入院患者を見舞うことに。
総合案内で病室を聞くと、患者の地区、年齢などを質して教えてくれた。
が、吾との関係は質さないから、何のための確認か?戸惑う。

個人情報保護法の政令で、顔や歩き方まで『個人情報』扱いとされるらしい。
身体的特徴のデータを、本人の了解なしに第3者に提供することが禁じられるという。
と、いうことは、入院の可否も含めて『秘匿』されるということだろうか?

でも、知り得る立場の人もいる。
マイナンバーを把握すれば、資産から健康情報、免許証やパスポート番号。
特定の人が、特定の人を『丸裸』にする手段を握っている、危険もある。

大学病院では、診察券番号を入力すると、今後の検査、診察計画まで知れる。
受診科担当でなくても歴然だから、関係者は覗けることになる。
が、相互の関連を見極めて治療計画が立てられるから、患者にとっては便利かも。

その、便利さを感じなかった例を、県立病院で経験した。
治療が10時、済ませて外来での診察に廻ったら、『13時になっています!』と云う。
『それでは、また来ます!』と云ったら、『診察券などは置いておくように!』と。

3時間もあるから、一旦、自宅に帰り昼食を済ませて12時40分に待合室に。
が、14時30分になっても声が掛からない。
『後に所用があるから帰ります!』と、診察券の返還を求めた。

違う棚に置いてあって、『あっ!みえたら窓口で申し出て頂くよう、言ったのに!』
聞いていない。『それでは13時に診察して貰いますから!』だけだった。
『今から診て貰いますから、少し待って下さい!』

『所用があるから!』と、会計を済ませて帰った。
日南の酒谷から油津まで、端と端である。
無駄な燃料と時間を浪費したが、県立病院・赤字経営の一要因を垣間見た。

昨日は、駐車場に戻る処を、老年の御夫婦に出会った。
『ホラ!ホラ!お父さん! 坂元さんよ!』とご婦人が。
『判りますか?』と吾に問われるから、笑顔ながら『ん?』と首を傾げた。

『~さんの隣!!』と大声で言われるが、当方は『ん?ん?』である。
今日も呼ばれて治療室に向かおうとすると、Nおばさんが寄ってくる。
『元気ですかぁ~? うちの人が胆嚢にできものがあるらしくて!』と、亭主を指さす。

『味噌漬け、買って食べてますよ!』と云うと、満面の笑みを浮かべた。
なるほど。  決してないが、選挙の時は、月に一度くらい病院の外来待合室を歩いた方がいいかも。
靴音高く歩いてゆくときの、あの集中する視線!  300票くらいは直ぐに集まる。

が、名前を見ても、聞いても無反応の人も居る。
病院の事務系職員などである。
県職組だから、吾の名を聞いたこともないだろう!
勿論、書いたことも!
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