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2016.06.28 (Tue)

近未来(30年後の郷土)

30年後と言えば、団塊世代が白寿だから、もう大部分が此の世にいないだろう。
大部分ではない! 彼らは幼少の頃、発がん性物質を食していた。
為に、それまでの日本人平均寿命を10歳も縮めていた筈だ。
彼らは、後期高齢者になる前に、その多くが世を去った。

人口の減少率が高い。 旧・南那珂地方の人口は1万人と少しである。
酒谷や吉野方地域には、10戸ばかりの人家があり、集落の機能をも失っている。
子孫を名乗る人達も寄り付かないし、寺社も荒れ、廃屋が目立つ。
取り壊してある廃屋もあれば、朽ちたまま草に覆われている家跡も。

東郷などの農地には、『野菜工場』が建てられていて、アジアからの出稼ぎ女性が働いている。
根菜類は工場生産ができないから、この分野だけが耕種農業として残っている。
収穫に当たっているのは、こちらは東南アジアから移住している男性たちだ。

里山の丘陵地帯は大型機械で造成され、段切りされた平地には杉が植林されている。
縦横に、草払い機械が動き回り、手入れを怠らない。
バイオマス発電が普及して、10年で立木が枯渇、世界的な木材不足が続いている。

バイオマス発電の原料が無くなって、発電方式をどうしていたのか?
日本列島、全域に原子力発電所が建設され、中国大陸まで送電している。
もう国内では、『原発反対!』を叫ぶ連中はいないのである。

漁業は、沖合に強固で大きなイケスが設置され、回遊魚が養殖されている。
栽培漁業が中心だから、もう昔のような『一本釣り』はやらないし、漁師も漁船もない。
油津港の岸壁には、プレジャーボートが係留され、金持が利用している。

油津港の沖合に巨大タンカーが停泊し、パイプラインで送られる淡水を積み込む。
酒谷川や広渡川から送水されてくる水である。
生水が飲めない中国では、日本からの水が飛ぶように売れるのだ。

中心市街地活性化が叫ばれた30年前。
油津の再生に行政が取り組んだが、なんらの成果も上げなかった。
歴史的に立地条件を失った地域が、再生する可能性はなかったのである。
繁栄した時代の面影も留めず、数軒の居酒屋と古びた旅館、それに朽ちたマンションが残っている。

幼・小・中が一緒になった『一貫校』が、南那珂に5校ある。
巡回バスが登下校時に運行され、タブレット端末での授業が主だから、教師も僅かだ。
旧・県内に5校ある郡立高校は、全寮制で思想教育、軍事教練を主としている。
そして『私塾』は、行政府の幹部の子息、国立大学は共産党幹部の子弟しか入れない。

2030年に、日本国憲法と云われたのが廃され、新たに『国民規律綱領』が公布された。
国会も廃止されて、共産党国務委員というのが日本を支配している。
全国は、12の州政府が中央の統括の下に国民を統治する。

九州は、10の郡政下に置かれ、宮崎郡は3市(宮崎、延岡、都城)、3区(日南、小林、西都)の下部行政。
郡知事、市長、区長は、共産党州委員会の任命に依る。
議会などという『大衆迎合組織』はなくて、直轄の統治である。

どうして、あの山紫水明の大和の国が滅びたのか?
どうして、人情細やかで、慈愛に満ちた民族が抑圧されたのか?
どうして、世界に冠たる日本料理と、四季が生み出す食物が失われたのか?
どうして、家族制度という、道徳観に溢れた絆が壊されたのか?

あれは、2030年のことであった。
日米同盟を組んでいた米国は、国力を衰退させ、世界の警察から下りた。
南沙諸島や西沙諸島を不法占領し、南シナ海の制海権を握った中国から締め出されたのである。

締め出された!というよりも、アジアに至る広範囲の警察活動に疲れた!と云うべきか?
アセアン諸国との共同防衛を謀ったが、中国の脅しに屈する国が相次いだ。
日本は、『専守防衛』を標榜しつつも、実戦配備に及び腰だから、米国も嫌気が差した。

尖閣諸島近辺で、頻繁に領海侵犯していた中国海軍は、とうとう上陸を決行。
用意していた大量のテトラを沈め、瞬く間に島の拡大を図り、一ト月後には基地の建設まで。
実効支配と共に、制海権を手にし、海上自衛隊を寄せ付けない作戦だ。

米軍が立ち去った沖縄の基地に、中国軍が駐留する。
沖縄県知事とも通じた作戦だから、沖縄占領は一夜にして実現。
自衛隊は、弾丸一発を撃つことなく、武装解除したのである。

後は、媚中派の政党や政治家が、中国支配を確立する手法を駆使する。
『平成』のあとに公布された年号も廃止、皇室も放逐され、米国に亡命されたという。
ここに、アジア全土の中国支配が完了したのである。

廃仏毀釈というのがあった。 神道以外は『外来宗教』だが、日本人も外来か?
日本民族と云うけれども、真の大和民族は居るのだろうか?
大陸や東南アジアから辿り着き、混ざりに混ざった民族が日本人だろう。

が、島国であったから、閉ざされた中にも、築かれた美しい伝統、道統がある。
『そんな抒情的な史観は嫌いだ!』と云う共産主義者がいる。
けど、大事にしたいと願う、大多数の尊崇の気持ちを排してはならない。

吾が描く30年後の姿を、虎視眈々と狙い求めている勢力がある。
その勢力が、来月の参院選を睨んでいる。
30年後、『あれが始まりだった!』と云われる分岐点が、そこにある。



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