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2016.04.26 (Tue)

地籍調査

子供の頃、家の周辺は畑で、その向こうには原野が広がっていた。
蕨を獲り乍ら原野を昇ると、木で拵えた櫓がある。
母に聞くと、『三角点』を表わす目印だと言う。

背丈の5倍ほどあったが、遠方の頂にも据えられていたのだろう。
つまり、海抜を印し、東西南北を示し、遠眼鏡で距離を測る。
それは、明治から続いていた測量の継続か、進駐軍の計測かは知らないが。

不勉強で笑止だが、日本地図を最初に制作したのは伊能忠敬だったか?
当時の測量技術からすると、相当に難儀な仕事であっただろう。
なにしろ、目測が主であるし、半島と半島の間の海峡を測定するだけでも命がけだ。

が、何年を要したか知らないが、出来上がったのは正しく日本列島の形をしていた。
その形(平面)に隣藩との国境を印し、地名も記さねばならない。
勿論、川や山、耕地などもそうだろう。

耕地と言えば、昔の税は年貢米だったから、年貢の計算が必要になる。
中には『隠し田』もあったらしいが、御上が現地で面積を測り、収穫を予想して年貢を決める。
その測量を本格的に実施したのが、『太閤検知』と云われるものだろう。

『検地』が『検知』と異なるのは、知行という『獲れ高』を示すからだろう。
藩を配置したり、国替えを命じる基準は『知行地』の石高であった。
年貢米が統治の『税収』だから、知行地の石高で藩威が示されるのだろう。

が、いつの世にも、御上の『御目こぼし』はある。
なにがしかの賂を袖に入れてやれば、測量の縄が短くなる。
短くなれば面積も縮むから、年貢米も少なくなる勘定だ。

が、その温情!というか賂の結果が、後々の争いごとに結び付く。
実測と台帳面積が大きく違っているから、字図への信頼性にも及んでくる。
そして、土地売買でも、実面積で売りたい人、担保は台帳面積だからと買う側が。

吾は不勉強で恥ずかしい限りだが、日本の国土面積は、どの数字なのだろう。
海面は、上空から眺めたそのままだろうが、陸地はどうだろう。
陸地はフラットではないから、没している場所、隆起している場所それぞれである。

上空から見た陸地面積を、国土面積とするなら、それでいい。
が、山の所有権を示す場合は、表面積で測ってゆく。
山肌を頂点まで縫い、反対側を降りる斜面の面積は、空からの倍以上あるだろう。

その山肌に植林して行けば、フラットな面積の数十倍の木が植栽できる。
植栽できる面積が『財』を産むのだから、『財産』と云えないか?
現在の3D写真なら、隆起したり陥没したりの、実面積が印せるかもしれない。

と、なると日本国土の面積に、山林面積などを足したら、国土面積が増えるということになる。
そういうことなら、『山林は国土の~割で!』なんていう説明はウソにならないか?
『日本の山林は、国土の面積を遥かに上回る~ヘクタールで!』と、変更しよう。

口蹄疫で輸入稲藁を規制する時、大淀川堤防敷きに繁茂する雑草の使用を認めた。
堤防は斜面だから、斜面の面積が使用対象だ。
が、上空からの面積は平面に映るから、『どちらが基準だ?』と糾したことも。

高速道路を埋め土で建設するから、道路幅の倍の面積を買収する。
車道から斜めに法面を築き、法尻に土留め工を施す。
出来上がった法面は、買収面積を上回るから、法面の利用価値が高くなるのでは?という理屈。

昭和46年に、減反政策が始まった。
米が余ってきたから、コメ以外の転作作物を作れば補助金をやるぞ!と政府は言う。
かといって換金作物は見当たらないから大豆や蕎麦を撒いた。

撒いたが、芽が出た時点で役所が検査し、『転作奨励金』を出すから収穫はしない。
収穫するまでに育たないのだが、随分と減反政策でムダ金を使ったものだ。
が、中山間地域では植林を奨励した。

休耕田として補助金を流せば、農作物のように毎年、検査する必要もない。
農地を守ることを金科玉条にしてきた農林省が苦渋を舐めた瞬間である。
祖父は、水田の半分を本家に委ね、半分に植林した。

苦渋を舐めた農林省は、ついでに水田を農地から林地への地目変更に踏み切った。
『農地護り手の先兵』たる農業委員に『現況調査』を命じ、林地に換えたのである。
が、余りにも地目変更が相次いだから怖れをなし、以降、林地になっても見ぬフリを決め込む。

もう20年近くになるだろうか?友人から農地を取得することにした。
取得には、小作を含めて50アールの農地を所有、耕作していなければならない。
固定資産台帳では50アールを満たしていると思っていたが、やや不足だ。

仕方がないから、山林を伐採し、南高梅を植栽している梅園を届けることに。
日新測量の社長夫妻から測量を頂き、57アール実測のお墨付きを。
現在では、小作を含め、樹園地など1ヘクタールほどの農地を経営している。

この春、隣接地の杉が皆伐され、吾が取得することになった。
2筆だったが、1筆は畑地になっている。
農業委員会に農地取得の申請にいったら、『所有面積が不足しているから~!』と。

税務課で調べると、かっての梅園は再び『山林』に地目が戻されている。
『税務課は、直ぐに上書きして戻すんですよぉ~!』
なるほど、税務統計や地籍台帳の振り分け業務が増えるのを嫌っているのだなぁ~!』と。
市民の面倒よりも、わが身の面倒の軽さを大事にするのが『役所』という処なんだ。

『農地を守りたい』『農地を減らしたくない!』という農水省の気持ちは判る。
判るが、『減らさないために、農地に何を植え、どうやって所得を向上させるか?』は考えてない。
換金作物も、作付する気力と労力も失った農家は、農地を荒らすしかないのである。

吾は、山林を伐採して樹園地と云う『農地』に換えた。  なんの手続きも必要無しに。
今度は、杉が植えられていた『現況・山林』を購入して、農業委員会の許可を必要とした。
農地が大事だとは判るが、この取得に係る手続きの差が、世間とズレた役所感覚を示して面白い。

登記がすんだら、国土交通省から調査書が届いた。  地価の調査に供するのだろう。
畑地の1筆に『評価額65,000円』とある。
吾は、2筆でを50,000円で購入したのに。

評価額で『固定資産税』を賦課しているし、農地の評価額は高い。
が、実際には素材業者が『タダ同然』に取得し、持て余しているのが実態である。
価値のない(政策が無価値にしたのだが)土地に課税され、それは国保税にも連動する。

先日は、家下に棲む総本家の長男が、声を荒げて玄関に。
森林組合から『境界明確化』の調査結果票が届いていたから、『これだな!』と。
『字図には載っていないのに、分家が所有者として記載してある!』

なるほど、原番地1631番地が分家所有で、それが乙、丙、官地、総本家と分筆されている。
されているが、登記簿には原番地、所有者、地積があるものの、字図にはない。
無いのは、分筆する際に測量業者が誤ったのだろう。

が、総本家は『字図が正しい、税金も俺が払っている!』
固定資産税は、字図ではなしに登記に基づくものではないのか?と糾すも、聞く耳なし。
『この事業で地籍を確定するものではない。国土法に基づく地籍調査がある筈だから!』と、重ねて言うが、納得顔ではなかったから、説明を重ねるしかない。

吾も、字図に従って境界を巡ったが、その曖昧さには呆れてしまう。
河川が記されていても、そこに川は無く地形も変形している。
加えて、現地を覗いたことすら無い後継者に、どうやって『境界を見極めろ!』というのか?

5年に一度、『国勢調査』なるものが実施されているが、それでも20万人を超えると言われる不法滞在者の把握すらできていない。
ましてや、固定している国土の調査とて、遅々として進んでいないから、国情の把握も怪しいものだ。

日南市行政は、市街地の真ん中から『地籍調査』を進めてきた。
区画整理を実施し、真新しい字図もあり、ブロック一枚動いただけで争いになる『境界の明確な地域』
この辺りを優先して進めた結果、田舎では土地の境界を知る人が毎年、減ってゆく。

先の日南市議会では、全てを終了するのに『もう20か年必要』と答弁したらしい。
南郷町では、『地籍調査で税金が高くなった!』と云う声も。
それはそうだろう。  確実に実面積は拡大してゆくはずだから。

しかし行政を預かる者は、絶えず『市勢』を念頭に置くはずである。
山林面積や農地の面積、それらの市勢が頭にないと、打ち出すべき政策は浮かばない。
地籍調査が遅れているということは、とりもなおさず、市勢を無視した行政だったということ。

戦略も戦術も、そして政策と展望も、『先ず、己を知ること』から始まる。


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