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2016.03.13 (Sun)

奨学金制度

祖父は、外での飲酒は付き合っていたが、自宅では全く呑まなかった。
呑んで帰ると機嫌が良く、面白くもない冗談を言ったりする。
欲しいものがある時は、この隙を逃さずカネをねだる。

機嫌が良い時の口癖は、『勉強しなきゃあいかんぞ!大学まで行かなければ!』
続けて、『祖父ちゃんも親が大学に行かせてくれれば、もっと出世していた!』
宮崎高等農林、今の宮大農学部を出ている。

大学に進学したかったが、親が『大学を出たら書生ナグレになる』と猛反対。
『書生ナグレというのは、口達者で汗を流さず儲ける者を指すのだろうか?
それとも、『アカ』に染まって、禄に預かれなくなることなのか?

双子が同時に進学する。
それも私立大学である。
偏差値の示す位置は、とても国立大学どころではない。

入学金から授業料、そして毎月の生活費を祖父は工面し、仕送りしていた。
双子でも進む大学は違っていたから、最初の一年間は2世帯の生活だ。
祖父が見積もった金額と、実際の東京生活の費用は違う。

入学式の後、直ぐに雄弁会に所属したものの、練習には行かない。
行かないで、『読売奨学会』に所属してバイトに励んだ。
が、奨学と銘打っているものの、実際は読売新聞の拡張である。

その傍ら、プロダクションに誘われ、唄のレッスンに通った。
先輩が下宿を訪ねてきて、『坂元!真剣に雄弁会で励め!』と。
学内新人大会で優勝し、全国大会に2か所派遣されて準優勝を獲た。

そうなると、雄弁会活動に集中しなければならなくなる。
大学には4年間、毎日のように通った。
通ったが、必須授業の単位は落とす。
授業に出るために通うのではなし、自治会活動などに勤しんでいたのである。

入学して直ぐに、東京都知事選挙に駆り出される。
立教大学の総長だった松下正壽候補の確認団体で、三菱電機関連の動員。
100台ほどが河川敷に集結し、都内を拡声巡回するのである。

選挙関連のアルバイトは、要請が来ると拒まなかった。
が、連続してアルバイトに熱中したことはない。
後輩に奢ることが常とされていたから、その費用を2昼夜で稼ぐ。

『マルちゃん』で有名な東洋水産では、零下30度の倉庫で働く。
三菱製鋼では、真っ赤に焼けた丸鋼をクレーンが下ろす時にワイヤーを外す。
工場内は灼熱、外は厳寒だが、屋台のうどんが美味かった。

アルバイトの暇がない時には、祖父に嘘の内容で書状を出し、送金して貰う。
高価な専門書が必要だと、偽るのである。
祖父は嘘を見破っていただろうが、犯罪に手を染めぬように仕送りしたのかも。

学生の日常を視ていると、裕福な家庭の子、限られた仕送りで赤貧に喘ぐ子。
様々だったように思う。
遠く故郷の両親を思い浮かべれば、辛抱に辛抱を重ねた苦学生が多かった。

そこに、共産党や全共闘の付け入る隙があったのだろう。
『独占資本と労働者』の戦いという構図は、すんなりと受け容れられたに違いない。
それが『社会の貧困』であり、社会の歪だと譲らなかった。

全共闘のゲバ闘争は、不満を抱く者達の『ヒロイズム』でエスカレートしていった。
神田の大通りで火炎瓶を投げる全共闘、それをビルの雀荘から見下ろすノンポリ。
そこには、学生の生い立ち、実家の生業を示す縮図があった。

が、全共闘の学生も、確固たる信念と思想があるわけではない。
一度、日大経済3合号館に京大生を引っ張り込んだ時、彼は恐怖で失禁していた。
『ただ、面白くてやっている』と、思想も哲学も否定した。

でも、当時の学生は、今日明日の生活と、学業を経て職を求めることに躍起だった。
フリーセックスに励むのは全共闘くらいで、男女の付き合いも慎ましいものだ。
あの『麻疹』の一時期の騒動は、日本の大きな転換点を示したものだ。

『権力否定』の連中は、就職して社会に出ると保守的になった。
県庁入庁の卒業生も、かつては全共闘の毛沢東思想に嵌まった連中。
『ハシカに罹るのが正常で、坂元のような右翼が異質なんだ』と言った男も。

当時も、『奨学金制度』はあった。
あったが、育英会の審査が厳しいから、申し込んでも適用されない者が多い。
が、苦学生の有難味は大きいから、返済も滞りは少なかったようだ。

今の世の中、高校全入に移行したと思ったら、大学全入が始まっている。
駅弁大学と揶揄されたように、数多の大学は学生不足で経営難だ。
国立大学ですら『経営難』に陥っているから、オープンキャンパスなどで誘っている。

つまり、吾らの時代は狭き門だったのが、今や広すぎる門に変わっているのだ。
だから、猫も杓子も大学進学を目指す。
目指すが、大学に入ることが重要で、学ぶ目的は後から付いてくる。

でも、目的は果たせないだろう。
何故なら、入学してしまえば苦難から解放され、楽しい『遊び』の4年間が待っている。
そういう、猫や杓子が大学に進むが、卒業しても『希望する職』も定まらない。

定まらないし、雇ってもくれないから、学生時代と引き続きのアルバイトで過ごすことに。
なんの為に、薄い『親の脛』を齧るのだろうか?疑問でならない。
それよりも、高卒で就職し、進学経費を親から貰った方が!とも思う。

一度に、3人の子供を大学で過ごさせた時期が、1年だけある。
今にして思えば、どうヤリクリして、3人の学資、生活費を捻出していたか記憶にない。
記憶にない程、カネの工面に忙殺され、一日も早い卒業を願っていたに違いない。

奨学金を『貸与』ではなしに、『支給』する求めがある。
先日も参院の予算委員会で、民主党議員が求めていた。
支給といえば、属人的に支給するのか?それとも大学に支給するのか?

大学には、文科省の補助金が出されており、早く言えば補助金なしでは潰れている。
属人的だとすれば、支給の目安は難しいだろう。
大学の偏差値でもいけないし、親の資産も全額、洗い出すことになる。

支給を受けて、非社会的行為に走ったら、どうなるか?
就職もしないで、怠け人生を送ったらどうなるか?
それ以上に、苦学してきた先人に失礼に当たらないか?

学力と資力、将来性、すべてを洗い出して支給する。
その基準を線引きするのに、根気強い調査が必要になる。
それよりも、大学で学ぶ必要性と成果を問うべきだと思う。

外国では、大学に入学するのは容易だが、卒業するのは難易だと言われている。
それはそうだろう。
真剣に学んだ成果を問うべきだ!とすれば『大学で青春を謳歌!』なんて吹き飛んでしまう。

いろんなイベントで大騒ぎする学生たち。
正に青春を謳歌しているのだろうが、非生産的な光景を醸し出している。
もういちど、6・3・3教育制度に、プラス4が必要なのか?問うべきトキである。
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